★月イチ・セッション
分科会3|岸井大輔[アジアで上演する #10|上演一般批評は可能か、上演の範囲がたとえば生活まで拡張される中で。]

アジアを概念化し、西洋芸術に接ぎ木して作品製作をすることは、歴史を振り返るまでもなく、陳腐であり、かつ危険な飛躍となりやすい。しかし、それを承知の上で、アジアに新たに向かい直す芸術家が増えている。しかも、彼らは、表現形式として展示ではなく上演を志向することが多いようだ。
この現象を「アジア(とか日本とか)」「上演」という言葉を使わずに記述できる言語を獲得したいと考え、「アジアで上演する」シリーズをはじめた。

まず、何人かの「アジアで上演する」アーティストにスポットをあて9月ー1月に発言を記録・交流を行い、2,3月には、いろいろやってみた。4月ー6月は以上の体験から見出されたいくつかのテーマに基づく分科会をもち、ディスカッションを行う。

6月のテーマは「上演一般批評は可能か、上演の範囲がたとえば生活まで拡張される中で」とする。

私たちは「アジアで上演する」ことを考えていく中で、「上演」とは何かという問題にぶつかった。近年、多くの芸術家は絵画・音楽・演劇などのジャンルを横断する表現を模索しており、表現形態として、都度、展示・作品・テキストなどが考えられ、上演もその一つとなる。しかし、テキスト批評や展評などと比べると、上演一般を批評する言説は未整理であるとはいえないか。無論、演劇の上演研究、ダンス批評、美術におけるパフォーマンス研究やシアトリカル批判など、ジャンルに基づく上演理論はあるが、上演一般批評となると困難だ。しかし、多くの「アジアで上演する」アーティストは、インスタレーションやプレゼン、拠点やサークルづくり、自身の生活そのものなど、上演と捉えられる方法で発表を行っている。それらの発表について考察したければ「上演批評」が不可欠ではないのか。

そこで、さまざまなジャンルにおける上演理論に詳しく、かつ上演が拡張される現状について関心のある研究者とともに、上演一般批評の可能性(あるいは不可能性)について議論したい。

最初に「アジアで上演する」シリーズの企画者である岸井から、これまで抽出された問題をまとめて20分話す。その後、各発表者から20分づつ、自己紹介もかねて話題を提供いただく。出演者はそれぞれのジャンルにおける歴史や最新理論を参照しつつ実践をも続ける3人、美術から星野太、ダンスから武藤大祐、演劇から寺尾恵仁をお願いした。

私たちは立場がないゆえ上演する。だからこそ、上演を考察し共に考える言説が必要がある、ということを話してみたいと思います。
出演:寺尾恵仁(ドイツ現代演劇研究/俳優・ドラマトゥルク)/星野 太(美学/表象文化論)/武藤大祐(ダンス批評)/司会:岸井大輔(劇作家)

日程:2015年6月5日(金)19:30~22:30
入場料:2,000円
定員:30名(要予約)

〈予約方法〉info@blanclass.comに以下の内容でイベント前日までに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉アジアで上演する予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数



寺尾恵仁 Ehito TERAO
1985年生まれ。慶應義塾大学後期博士課程在籍、日本学術振興会特別研究員DC1。パフォーマンスグループ6.5/w所属俳優・ドラマトゥルク。現代演劇における俳優/表現者のパラドクシカルな存在を政治論、現象学と関連付けて研究中。これまでの上演分析対象はShe She Pop、ジェローム・ベル、ルネ・ポレシュ、三条会など。

星野 太 Futoshi HOSHINO
1983年生まれ。美学/表象文化論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科特任助教、慶應義塾大学文学部非常勤講師。共著に『コンテンポラリー・アート・セオリー』(イオスアートブックス、2013年)、『キュレーションの現在』(フィルムアート社、2015年)など。

武藤大祐 Daisuke MUTO
1975年生まれ。ダンス批評家、振付家、群馬県立女子大学文学部准教授。20世紀のアジアを軸とするダンスのグローバル・ヒストリー、および、それをふまえたポストコロニアルな振付の理論を研究。共著『バレエとダンスの歴史』(平凡社)、論文「メッシュワークとしての振付」(『群馬県立女子大学紀要』第36号)など。振付作品に『来る、きっと来る』(2013)がある。

岸井大輔 Daisuke KISHII
劇作家。1995年より、他ジャンルで追求された創作方法による形式化が演劇でも可能かを問う作品を制作している。代表作『P』『potalive』『文(かきことば)』『東京の条件』
「アジアで上演する」特設サイト(近日公開予定)http://presentonasia.wix.com


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