★特別セッション
トークセッション|笠原恵実子+中村 寛[覇権主義と美学─インディアン同化政策とアメリカ現代美術─2017]
近代における覇権主義と美学の発生の関係を検証する笠原恵実子(アーティスト)は、ネイティブアメリカン文化がアメリカ現代美術の美学に含有されていると考察し、現在アメリカ各地でフィールドワークを行なっている。一方で、以前よりアメリカ周縁を旅し、暴力‐社会的痛苦‐文化表現(運動)の関係を調査してきた中村寛(文化人類学者)は、笠原とは違った視点でフィールドワークを行なっており、アメリカ先住民と非先住民との関係に注目している。2015年より双方の考えを共有する研究プラットフォームを持つ二人が2017年のリサーチの概要を二日に分けて紹介します。ディスカッションの時間も設けみなさんとの意見の共有を試みます。
入場料:1,500円(要予約・ドリンク別)/学生:700円
#1 [中村 寛|アメリカ周縁への旅の報告]
日程:2018年3月2日(金)19:30〜21:30
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#2[笠原恵実子|2017年のフィールドワーク報告から]
日程:2018年3月9日(金)19:30〜21:30
2017年のフィールドワーク報告から、Edward Curtis の「The North American Indian」,そしてJimmi Durhamはなぜインディアンたちに受け入れられないか。
2017年はアメリカ北西部オレゴン州ポートランドからワシントン州を湾岸沿いのルートを通ってシアトルへ抜けるフィールドワークをおこない、makah族やsquamish族などの文化を中心に見てきたことと、イリノイ州edmondsにあるnorth western University の図書館にEdward Curtisの各20冊の写真ポートフォリオと詳細に記録の書かれた本のセットである「The North American Indian」を見に行きました。今回は平原部族やプエブロインディアンとは全く違う文化を持つ北西湾岸沿いの部族達と彼らの白人達との戦い方を紹介したいと同時にEdward Curtis というジャーナリストの「The North American Indian」のディテールを紹介したいと思います。インディアンを真摯に記録したいと願っていたと同時に、彼らを最も魅力的に見せる写真を意図的に撮ったCurtisの矛盾はとても面白いものです。彼の出版物にはbuffalo Bill の「wild west show」と同じの見世物小屋的視線が内包されていることは明らかで、文化人類学の根源とも重なります。こういった無意識的にせよ意識的にせよ他者からの視線を浴びながらネイティブアメリカン達は20世紀を通過してきたと言えるでしょう。そういった歴史的背景を考えた上で、現代美術家Jimmi Durhamがネイティブアメリカン達から批判を持って受け止められる状況を考えていきたいと思っています。
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〈予約方法〉ご予約は前日までにご連絡をお願いします。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉覇権主義と美学 #1 予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
上記の内容でイベント前日までに以下のメールアドレスに送信ください。
こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。
〈予約メール〉info@blanclass.com
笠原恵実子 Emiko KASAHARA
初期は身体を通じて女性と社会との関係性を考察する彫刻作品を制作。近年は、性別や宗教、国籍や言語など社会を規定する制度とその状況についてフィールドリサーチを行い、その記録を元に制度の曖昧性を示唆する作品を制作している。その手法は彫刻に留まらず、写真、ビデオやパフォーマンス、ドローイングなど多岐に渡る。国内外での個展の他にPARASOFIA(2015),横浜トリエンナーレ(2014),シドニービエンナーレ(2004),光州ビエンナーレ(2001)などで発表。
www.emikokasahara.com
中村 寛 Yutaka NAKAMURA
人間学工房の呼びかけ人/文化人類学者/多摩美術大学准教授。「周縁」における暴力や社会的痛苦、それらに向き合う文化表現、差別と同化のメカニズム、コミュニケーションなどのテーマに取り組む一方、「人間学工房」を通じてさまざまなジャンルのつくり手たちと文化運動を展開する。著書に『残響のハーレム——ストリートに生きるムスリムたちの声』(共和国、2015年)。編著に『芸術の授業——Behind Creativity』(弘文堂、2016年)。訳書に『アップタウン・キッズ——ニューヨーク・ハーレムの公営団地とストリート文化』(大月書店、2010年)。
http://www.ningengakukobo.com/
y-nakamura@tamabi.ac.jp