★blanClass Archive Anthology #3 on TPAM Fringe 2018
演劇+WS(自由参加)|高山玲子[ゴーストライター]
構成 高山玲子
出演 高山玲子 荒木 悠 + 参加者
撮影 福井琢也
衣装 高橋 愛(suzuki takayuki)
日程:2018年2月10日(土)・11日(日)
10日(土)開場 19:00 開演 19:30
11日(日)開場 15:30 開演 16:00
上演時間:90分(予定)
料金:一般 2,500円/TPAM登録・特典:2,000円
序説
わたしは俳優です。
わたしは19才の時に『演劇』を始めました。それからおおよそ18年間、俳優を続けています。
『演劇』というものは可笑しなもので、俳優はたくさんの人の前でぺらぺらとしゃべります。しかし客席から返事はありません。そこで見ている、そこに居るはずの人たちは、俳優からは見えていない人としてそこに居ます。そしてわたしたち俳優は、観客をそこに居ない人として扱います。
わたしは、わたしを一方的に見る人たちの前で18年間『演劇』を為してきました。これまでいったい何人の人がわたしの『演劇』を黙って観、そして去って行ったのでしょうか、今さら数える気もありませんが、
でもこれだけは言わせてください。『演劇』をするわたしから、あなたは見えていました。
いつもあなたはそこに居ました。
わたしはそれを知っています。
今まで見えてないふりしてごめんなさい。
という訳で、改めてここでご挨拶をさせてください。
どうも、こんにちはー
と言いつつ、あなたが返してくれた返事をわたしはスルーします。
ですからこれは『演劇』なんです。あなた(観客)が、わたし(俳優)を一方的に見ることが出来るルールに則って、わたし(俳優)は、あなた(観客)を居ないもの扱いすることができるんですよ。えへ。
なんてもうこんな下らないやり取り、この辺でお終いにしましょう!
という訳で、今度こそ改めてご挨拶をさせてください。
どうも、こんにちはー
あれ、やっぱりだれも返事してくれませんね、おかしいな。
だれも居ないみたい。
だれにもわたしの声が届いていないよう。
ここは陸の孤島、無人島か?
でもその理由をわたしは知っています。
なぜなら、わたしは、もう居ないからです。
わたしは、あなたたちに、見えない存在です。
わたしは、もうここに居ない。
ですから、もし、あなたにわたしが見えるなら、それは、あなたももう居ない人です。
わかりますか?
もう一度言います。
あなたの目の前に居るわたしは、もう居ない。
そのわたしを見ているあなたも、もう居ない。
わたしたちはお互いに、もう居ない人たちなのです。
だからもうお互いに、居ないもの扱いするのはやめにしましょう。
ということで、最後にもう一度ご挨拶をしましょう。
どうも、こんにちはー
お返事ありがとう。
それではこれから演劇を始めます。
これから行う上演は『あなたが消えた時のこと』です。
高山玲子
予約方法:以下の内容でイベント前日までに以下のアドレスに送信ください。
こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉[ゴーストライター]予約
〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数
〈アドレス〉 info@blanclass.com
TPAM 2018(www.tpam.or.jp/2018)に参加するblanClass Anthology #3 on TPAM Fringe 2018の中で行っています。
チケットは以下からも購入いただけます。
https://www.tpam.or.jp/program/2018/?program=blanclass-anthology-no3
高山 玲子 Reiko TAKAYAMA
多数のカンパニー作品に俳優として出演する傍ら、映像制作や舞台演出なども手掛ける。
舞台「新しい映画」では映像と演劇がドッキングした作品が上演される最中、リアルタイムで新しい映像作品を一本制作するという実験的な試みを行う。
近年では音楽家・池間由布子とのコラボレーションなど、その活動は多岐にわたる。
http://natuchil.jugem.jp/
荒木 悠 Yu ARAKI
1985年山形生まれ。2010年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像研究修士課程修了。ある事物が他の土地へと伝播し、その過程で生じる変容や誤訳を伴いながら根付いていった物語を軸に映像作品を制作している。近年の主な展覧会に「双殻綱:第一幕」(無人島プロダクション、東京)、「The Way Things Do」(ジョアン・ミロ財団、バルセロナ)がある。
http://www.yuaraki.com/
福井 タクヤ Takuya FUKUI
東京都出身。2001年から映像作家として活動。実験的な短編映画を中心に国内外の映画祭へ出品。2010年からは写真家としても活動を開始。新しい表現を求めて日々シミュレート中。
国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2018(TPAM)
TPAM(ティーパム、国際舞台芸術ミーティング in 横浜)は、同時代の舞台芸術に取り組む国内外のプロフェッショナルが、公演プログラムやミーティングを通じて交流し、舞台芸術の創造・普及・活性化のための情報・インスピレーション・ネットワークを得る場です。1995年に「芸術見本市」として東京で開始し、2011年より「創造都市」横浜で開催。近年はアジア・フォーカスを強化し、アジアとの共同製作にも参画。20年以上の歴史を経て、アジアで最も影響力のある舞台芸術プラットフォームのひとつとして国際的に認知されています。
https://www.tpam.or.jp/2018/