Event

沖 啓介

ARTCOG (Artistic Cognification)プロジェクト─空想科学Science Fictionと科学現実Science Factで越境する未来

2017.02.01—2017.04.05

☆週イチセッション
ワークショップ+リサーチ|沖 啓介[ARTCOG (Artistic Cognification) プロジェクト─空想科学 Science Fictionと科学現実 Science Factで越境する未来]水曜日・全10回+発表

日程:2017年2月1日(水)─4月5日(水)
最終発表:2018年1月28日(日)
時間:19:30~21:30

コンピュータの能力が人間の脳の処理能力を超えて、さらにネットワークとなって世界を結ぶという「仮説」が想定される30年ほど先の近未来では、アートにはどのように影響があるのだろうか。

このワークショップでは、21世紀の社会の変化をアートの観点から捉えて研究、考察し、それをベースにしたワークショップで作品化、言語化していく。毎回のテーマにあわせてラフスケッチ、エスキース、メモ書きなどをつくり、後にそれらから任意に選択してさらに内容をまとめていく。

ワークショップ参加者の「思考実験」(thought experiments)は、展覧会と電子書籍’artCOG’に編纂される。

文:おきけいすけ


人間のようになんでもこなす人工汎用知能(Artificial General Intelligence)が注目されている。それが可能であるかどうかは意見が分かれるところだが、このことを考察することは、人類史全体を考察する機会でもある。

またチェスや囲碁で人間を打ち負かすばかりでなく、芸術分野でもレンブラントの筆致で絵を描き、モーツァルトのように作曲し、小説家のように物語を書いて話題になっている。

だが間違えてならないのは、三目並べからチェスや囲碁にいたる「二人零和有限確定完全情報ゲーム」では、遅かれ早かれ機械の勝利は決まったものである(これはマルセル・デュシャンがチェスを打っていた頃には知られていないことだが)。芸術の創造性はチェスや囲碁と同じ階層にあるのではない。それらのゲームには「必勝戦略」が必ずあるのだが、あらゆる創造行為には存在しない。また既存の絵画や楽曲や小説などをそれらしく表現するということと、創造するということは別物だ。

人工知能分野で言われる「強いAI」と「弱いAI」あるいは特化型人工知能と汎用人工知能の区別をつけるリテラシーも必要である。

ここでは仮想の課題として、人間の「現代芸術家」の思考をもった(仮称)「人工現代芸術指向知能」(Artificial Contemporary- Art-oriented Intelligence)の可能性を想定してみる。

●ACAIは、人間の創造性の新段階(過去に参照するものがない段階)に向かうために協働する知能である。
●ACAIは、アーティストのための歴史的に新しい手段であると共に共同制作者である。
●ACAIは、アーティストたちの「集合知」に参加する。しかし同時に独立してもいる。(例えば、トークや音楽でセッションする時に、それは独自に「思考」し参加する)

こういうACAIを想定することから、アートや思想の歴史を検証したり、将来において可能な表現はどのようなものが可能かを考えてみる。


#1:2017年2月1日(水)アートする知能とは?

人間の進化のなかでの芸術
芸術の発生の理由
アルゴリズムと表現
ゴリラ、人間、人工知能が描く絵の比較で見る「脳」の役割
芸術的な猿:アートの百万年 デスモンド・モリス

#2:2017年2月8日(水) 芸術とテクノロジー

未来派立体
未来主義
ルイージ・ルッソロ
「サイバネティック・セレンディピティ」“Cybernetic Serendipity”
サイバネティクス
E.A.T.
概念芸術 
論理演算と概念
荒川修作の「意味のメカニズム」を人工知能開発の方法で読む
コンピュータの出現による芸術の変化

#3:2017年2月15日(水)情報のフローから考える世界

「文明」あるいは「長期的持続」
フェルナン・ブローデルの歴史学
トマ・ピケティが集めたデータ
ハンス・ロスリングの統計学データ
フレデリック・カプラン:情報の世界をめぐる、タイムマシンの制作
ランダムとノイズ

#4:2017年2月22日(水)コモンズ

みんなで保有し、協働で利用するソース
リンクされた情報がこれからの知能世界のコアになる
コモンズとなったアート表現 自己表現がコモンズになる時
集合知(collective intelligence)
データで見る世界
データサイエンス、ビッグデータ
データ・ヴィジュアライゼーション
インフォグラフィクス・ワークショップ

#5:2017年3月1日(水) 電子音楽ワークショップ

Biomusicology生物音楽学
自動演奏のプログラミングと音への感動
Experiments in Musical Intelligence (EMI) by David Cope. It composes classical music.
OMax
Melomics:
impromptu
AIとネットワークの観点からの音楽

#6:2017年3月8日(水) コンピュータを相手に会話する:自然言語処理

仮想の「恋人」との会話をプログラミング言語pythonでプログラムするワークショップ

#7:2017年3月15日 (水)―身体の未来

身体をスキャンする
情報としての身体
遺伝子編集
アンドロイド化する
クローンする
武術や鍛錬で体験する身体ワークショップ
Editing Your DNA

#8:2017年3月22日(水)貨幣と仕事のこれから

仮想通貨と経済
ブロックチェーン
ベーシックインカム
アートで生きる社会

#9:2017年3月29日(水)生物と情報

生物
バイオアート
生物学から何が生まれるか?
未知の生命観
先端の食と料理技術
分子ガストロノミーと発酵ワークショップ─食を分子レベルと生物力で
しかも美味しく

#10:2017年4月5日(水)Sci-FiとSci-Factで越境する未来

Fantasy Worldbuilding Questions: Social Organization By Patricia C. Wrede
NY timesのわかりやすい人工知能解説:NY times Artificial Intelligence
「思考実験」とは
スタンフォード大学のStanford Encyclopedia of Philosophy – Thought Experiments
デルファイ法
論理演算

artCOG編集委員会を発足する
artCOG編集方法について
毎回の内容をグラフィック・レコーディングやドゥードル(落書き)の方法で記録する
O2O(Online to Offline)でも意見やアイデアを交換していく
アート、サウンド、身体のワークショップを組み合わせる
成果と記録を電子書籍に編集する
展覧会を行う

最終発表:2018年1月28日(日)
パーティー:16:00〜 パフォーマンス:17:30〜
入場料:1,500円(ワンドリンク付)
ARTCOG[電子書籍’artCOG’発行記念イベント]

沖 啓介/阿部尊美/今井志芳夏/男澤洋一郎/小山友也/齋藤 知/時山 桜/西尾佳那/安部祥子/小林晴夫 ほか

パフォーマンス(ほかに展示や上映も予定しています)
[森+テクノロジー|新たなる身体との邂逅] 映像:阿部尊美/舞踏:横滑ナナ
[Water Crush]ダンス:小椎尾久美子/サウンド:沓名健一/沖 啓介


2月1日スタート・水曜日・ワークショップ+リサーチ 全10回+発表
日程:2017年2月1日(水)8日(水)15日(水)22日(水)3月1日(水)8日(水)15日(水)22日(水)29日(水)4月5日(水)最終発表日未定
時間:19:30~21:30
定員:15名
申込金:5,000円(blanClass主催のワークショップに初めて参加される方のみ)
セッション参加費:35,000円 ※ 別途実費がかかる場合があります。
参加資格 特に問いません。
応募〆切日:1月29日(日)必着(郵送の場合は27日必着)応募〆切りました
応募方法:講座の要項を了承の上、所定の応募用紙をダウンロード、必要事項を記入の上、下記メールアドレスまで送信、またはチラシの申込書に必要事項を書き込み郵送し、指定の銀行口座宛に、全額または申込金のみを振込んでください。(申込書のみでの予約は受付できません。必ずどちらかをご入金ください)ご入金が確認でき次第、手続き完了となります。申込金のみを選択した方の場合、講座1回目までには参加費をお支払いください。なお定員になり次第、受付を終了させていただきます。入金後、セッション開講前にキャンセルされる場合、申込金は返却いたしかねますので、あらかじめご了承ください。
申込書ダウンロード(PDF版)
申込書ダウンロード(Word版)
銀行口座:三井住友銀行 横浜駅前支店 (普通)8895910 blanClass(ご自分のお名前を忘れずに入れてください)
問合せ・申込み:blanClass 〒232-0006 横浜市南区南太田4-12-16-2F
info@blanclass.com

週イチセッションとは


沖 啓介 Keisuke OKI
アーティスト。多摩美の学生時代からアーティストとして活動を始め、国内外で多数の展覧会を行っている。1980年代後半からニューヨークに住み、第一次湾岸戦争勃発とともに帰国。その後、1998年からカーネギーメロン大学研究員となる。エレクトロニク・アート、メディアデザイン、電子音楽、映像が専門分野。現在は、東京造形大学、早稲田大学理工学術院などでデジタル系のアートやデザインを教えている。