☆週イチセッション
レクチャー+ワークショップ|体の外で考える:異種の折りたたみ篇|平倉 圭 (月曜日・全10回+発表)
日程:2015年10月5日(月)─12月21日(月)
最終発表:1月30日(土)
時間:19:30~21:30
「ライオンに話ができるとしても、私たちはライオンを理解することができないだろう」(ウィトゲンシュタイン『哲学探究』)。ウィトゲンシュタインによれば、言葉の意味を与えるのは「生活形式」だ。人とライオンは生活形式が異なる。だから、人はライオンの言葉を理解することができない。たしかに。
哲学者で調教師だったヴィッキー・ハーンは、これに反論した。ライオンはそれでも、特定の人と「話す」。たとえば調教師だ。調教師とライオンは、ともに異種混淆的な言語=生活形式をつくり上げる。重要なのは異種をまたぐ具体的な技(アート)だ。それは思考される概念というより、具体的な生活の形として、特定の人の体と特定の動物の体、それを媒介するさまざまな物体のあいだに生まれるものだ。
この連続セッションで取り組むのは、異種をひとつの生活に折りたたむアートを理論的かつ実践的に探求することだ。ここでは「異種」という言葉を、非生物・人工物にまで拡大してみたい。銃も歌も住居も、人とともにある「異種」だ。そこには異種を折りたたむアートがある。そして折りたたみ方は変えることができる。
セッションは、講義と講読で思考を掘り下げる「理論」、思考を実践的に深める「実験」、各自の思考を体の外に表現する「物体化」の3つに仮に分けている。が、それぞれは重なりあうだろう。向かう先が分かっているわけではない。むしろ手探りの探求を、ともにおこなう場所にしたい。最終的に、各自の思考の成果を「作品」として1月にblanClassで発表するところまでいきたい。
参考資料
ヴィッキー・ハーン『人が動物たちと話すには?』(晶文社)
フェリックス・ガタリ『三つのエコロジー』(平凡社)
《例えば|未(ネヴァー)の批判》マドリン・ギンズと荒川修作によるメロドラマ, 《意味のメカニズム》から, 16mmフィルム, 1971
土方 巽《疱瘡譚》1972, アートシアター新宿文化, 東京
関口涼子『発光性diapositive』(書肆山田)より「螺旋に賭けろ」
ヴィンセントファンゴッホ《オリーブ畑》1853-1890
ダナ・ハラウェイ『犬と人が出会うとき――異種協働のポリティクス』(青土社)より「コンタクト・ゾーンでトレーニングする」
ダナ・ハラウェイ「『猿と女とサイボーグ-自然の再発明-』(青土社)より状況に置かれた知」
スティーブ・パクストン「内的空間で働く技術を図解する」『述3|特集・舞台/芸術』(近畿大学国際人文科学研究所 編)より
ブルーの・ラトゥール『科学論の実在-パンドラの希望-』より「循環する指示」
ヴァルター・ベンヤミン『ベンヤミン・コレクションⅡ』より「模倣の能力について」
『知の生態学的転回1 身体 環境とのエンカウンター』より「終章 魂の科学としての身体論——身身問題のために」(染谷昌義)
有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ2』(北樹出版)
#1:2015年10月5日(月)[理論 1]
#2:2015年10月19日(月)[実験 1]
#3:2015年10月26日(月)[理論 2]
#4:2015年11月2日(月)[物体化 1]
Vincent_Willem_van_Gogh
#5:2015年11月9日(月)[実験 2]
#6:2015年11月16日(月)[理論 3]
#7:2015年11月30日(月)[実験 3]
#8:2015年12月7日(月)[物体化 2]
#9:2015年12月14日(月)[物体化 3]
#10:2015年12月21日(月)[物体化 4]
最終発表:2016年1月30日(土)13:00〜
一般:1,000円(コーヒーつき)
展示・パフォーマンス|★週イチ平倉圭セッション[異種を折りたたむ]
参加者:稲場拓也/小山友也/佐野友美/田邊裕子/中村ゆい/山本浩貴+h/渡辺賢一郎/平倉 圭
– 作品内容 –
スケッチブック|稲場拓也[unfold]
インスタレーション|小山友也[元にもどす]
パフォーマンス|佐野友美[人と金属とその他うんぬん]
※パフォーマンス随時
パフォーマンス|田邊裕子[ものがたりの自由研究 1 『待つ』]
13:30- 1時間間隔で短編を上演(1回10分前後)
19:00- 総集編を上演(40分前後)
その他 展示常設
展示|中村ゆい[着るを記述する]
展示/詩|山本浩貴+h[つよいありんこ]
パフォーマンス|渡辺賢一郎[対から独立することで述語を失った時間はいまやきざみ、数えあげ、見おろすことなどできぬそれ自体の横溢として、迷宮そのものであると同時にシシトらそのものでもまたあった。完成された盲目は鏡を割り、自画像を燃やし、境界としての皮膚を剥いだ。]
『亜人』三宅誰男より引用 http://bccks.jp/bcck/118591/info
定員:25名
申込金:6,000円(blanClass主催のワークショップに初めて参加される方のみ)
セッション参加費:レクチャー+ワークショップに参加 30,000円 +発表に参加 +5,000円 ※別途実費がかかる場合があります。
参加資格:特に問いません。
応募〆切日:9月27日(月)
申込み方法:講座の要項を了承の上、所定の申込書(はがき)に必要事項を書き込み郵送、またはblanClass 公式ホームページの応募用紙をダウンロード、必要事項を記入の上blanClassまで送信し、指定の銀行口座宛に、全額か申込金のみを振込んでください。(メールのみ、申込書のみでの予約は受付できません。必ずどちらかをご入金ください)入金が確認でき次第、手続き完了となります。申込金のみを選択した方の場合、講座1回目までには授業料をお支払いください。
なお定員になり次第、受付を終了させていただきます。
入金後、セッション開講前にキャンセルされる場合、申込金は返却いたしかねますので、あらかじめご了承ください。
銀行口座:三井住友銀行 横浜駅前支店 (普通)8895910 ブランクラス
(ご自分のお名前を忘れずに入れてください)
申込書ダウンロード(PDF版)
申込書ダウンロード(Word版)
平倉 圭 Kei HIRAKURA
1977年生。芸術理論/アーティスト。横浜国立大学准教授。作品に『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010、第二回表象文化論学会賞受賞)、《ピカソ他を分解する(部分的に遮蔽された)》(パフォーマンス、Take Ninagawa、2015年)ほか。雑誌等での執筆多数。
https://www.facebook.com/kei.hirakura