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杉田 敦 ナノスクール 第0期

井土ケ谷事件の当事者になってみる

2012.11.02—2013.07.19

★blanClass拡張計画
杉田 敦 ナノスクール 《nano school》[井土ケ谷事件の当事者になってみる]

ナノ・スクールは、極小の学校。スケールや人数の意味ではなくて、コンテンツとして極小。教えられることを、これ以上ないまでに小さくしてみること。近代の理性は必要だったのか? じゃあ一回手離してみよう。本当の意味でそれができるのは、アートだけなのかもしれない!的なところから始めてみる!

杉田 敦[ナノスクール]は毎月1回・金曜日に開催しました。
一般:1,200円/学生:1,000円
参加資格:高卒同等程度以上


#1[わかる]
日程:2012年11月2日(金)19:30

宿題:井土ヶ谷にある酒屋「森屋本店」で角打ちで立ち呑みしてくること
ナノスクール第1回目が近づいてきました。プレ・イヴェントでお伝えした宿題があります。井土ケ谷の角打ち、酒の森屋本店で一杯やってきてください。当日でも、別の日でも構いません。お店は夜8時までです。あと、余裕のある方は、同じく井土ケ谷の銭湯、住吉湯に入ってきてください。線路を挟んでblanClassの反対側になります。場所、営業時間など、あらかじめネットで調べておいてください。さらに時間に余裕のある方は、このページのタイムラインにも乗っている、井土ケ谷事件の現場と思しき、庚申塚にお参りしてきてください。

nano school 第1回目は、テーマは「わかる」でした。言葉でのわかるが、どこまでわかるなのか。まず、その導入をみんなで考えました。ここにはいくつかの問題がありました。ことばの使用もそのひとつでしたが、この問題は少しおいておきましょう。次回のテーマは「時」です。時間をわかるとはどういうことなのか。

#2[時]
日程:2012年12月14日(金)19:30~

テーマ:「時」
1回目の「わかる」とも関連があります。各自宿題をこなしながら、「時」について考えを巡らせてみてください。

宿題:以下のどれかをやってきてください。
・近所の『角打ち』で一杯やる
・井土ケ谷事件の現場とされる、庚申塚にお参りする
・井土ケ谷の中国料理店、六宝でラーメンを食べてくる

#3[観測]
日程:2013年1月18日(金)開始:19:30~

あけましておめでとうございます

さて、今週金曜日は、nano school の第3回目です。「わかる」「時」というテーマに加えて、今回のテーマなのですが、それは当日まで内緒にしておきます。ただし、恒例の宿題があります。

・井土ヶ谷にある温泉『横浜天然温泉くさつ』に入浴する
・恒例ですが、酒の森屋本店で、一杯やる

上記の2つなのですが、共通する条件があります。それは、実行しながら、その日一日について考えてもらいたいのです。そして、簡潔な言葉で言い表せるようにしてもらいたいのです。「なんとかなんとかな一日」的な感じです。その上で、少し内容をお話ししてもらえればと思います。

nano school は、僕自身にとってはとても刺激的な試みです。みなさんのご協力、参加が、予想していた以上の手ごたえを感じさせてくれています。

今年も、よろしくお願いいたします!

#4[自分の未来、アートの未来]
日程:2013年2月15日(金)19:30~

こんにちは みなさんいかがお過ごしですか? 今週の金曜日は、nano school の第4回目です。これまで「わかる」「とき」「観測」というテーマでおこなってきましたが、今回のテーマは「明日」です。宿題は以下になります。
・所定の場所で、「自分の未来」、「アートの未来」について考え、簡明に説明できるように、必要ならば、メモしてくること。所定の場所は下記の二カ所です。

①桜木町:はなみち 【旧店名】第三酒寮キンパイ
②井土ケ谷: 酒の森屋本店

前回までで、「近代」のはらんでいる問題、おぼろげながら見えてきたような気がします。それらを踏まえて、いかに「未来」について言及することができるのか、楽しみながら考えてください。くれぐれも、所定の場所で、飲み過ぎないように! ではみなさん、blanClass でお会いしましょう!

#5[これこそ未来の建築だと思えるもの]
日程:3月15日(金)19:30〜

宿題:当日までに、身近なもので、これこそ未来の建築だと思えるものをひとつ発見して写真を撮ってきてください。携帯可能なサイズのものに、建築のエッセンスを読むというのがテーマです。写真は、コンセプトがわかるようなシチュエーションがいいですね! 

直前の裏宿題。井土ヶ谷のレトロ喫茶アスカで、珈琲を飲みながら物思いに沈むこと!沈み過ぎたら、例の角打ちで、アップしてきてね!

前回のナノスクール(3月15日)で当日参加できない方からメールで宿題の提出がありましたのでこのページにアップします。

身近なもので、これこそ未来の建築!と思えるもの、楽しそうなのでちょっと考えてみました。
その前に、一般的に未来の建築ってどんなかなあというのも考えてみました。
まず、未来型建築・設計というと、ユニバーサルデザイン的なものかなと思い浮かびます。
誰もが使いやすい、普遍的な形、これからどんどん求められていくだろうし、その概念もどんどん浸透していくんだろうと思います。
ただ、その形を普遍的っていうのかと疑問を持ったりします。
人が素材に合わせることを極力減らして、素材が人に合わせられる形、明らかに自然的ではなく人工的な形の在り方に、なんか違和感を持たないですか?
そのデザインの在り方は、普遍的ってより、画一的・効率的デザインて言うのでは?と疑問を持ってしまうのです。
でも、公道や駅の些細な段差を見ては、バリアフリー、大事だよなとか思う自分もいたりで。そんな妙なジレンマを持ちつつ、かと言ってジレンマの解消方向もわからず、時間ばかり思いの他速いスピードで流れているように感じます。
昨日と同じ今日、今日と同じ明日があるようなゆるい日常をよくよく見つめて耳を澄ますと、その流れが尋常でなく激しく速いということに気付かされたりします。
時代全体に、応急処置にしかならない政策が次々にあてがわれ、その場しのぎで生きながらえていることが見えてゾッとしたり。
政策がどうこうと批判するというより、躊躇したり熟慮したりする間なく、応急処置という方法でしか対処できない流れの中にいるということにゾッとするんです。って、話がズレたのでまたユニバーサルデザインに戻ると、そのユニバーサルデザインを筆頭とした”普遍性”の在り方は、目に見えないはずのものの見える化を、どんどん押し進めていこうという動きとして見てとれます。
ついでに書くと、見える化って、選択のしやすさを促しはするけど、見えれば見えるほど安らぎが減るよな、とも感じたりします。見えることでかえって、選択を余儀なくされる場面が格段に増え、何かを得る代わりに何かを失うことが連続的に日常で起こるようになってて。それって緊張の連続でもあるよな、と思ったり。
それと、見える化が進むことで、かえって隠されていくものがある感じもします。ユニバーサルデザインの”普遍性”に隠されてしまった本当の普遍性、そういうのがあると思いませんか?いろんなものが、実はどんどん隠されて、排除されてっているような。個性についても同様に、そんなことを感じます。
インクルージョンとか社会的包括とか言いつつ、その人の本当の個性が隠されてってしまってるような。社会的に包括できる程度の個性は許されるけど、それ以外は、見えないように気付かれないように消されていってるような。実際、フランク・ゲーリーの建築に対して大部分の人はまず排除的な動きをするし、画一的な建物の外装に施すささやかな嗜好が、世に通じる許容範囲内の個性なのかと思わされたりしませんか?って色々方向ぐっちゃで書いたけれど、私の感じるところの、未来の建築!は、今晴夫さんの目の前にもあるだろう、その白い紙一枚です。そこに何が関わるかによって偉大な建築物もハコモノに変わるように、目の前の白い紙も、そこに何が関わるかで果てしなく未来を感じる計画書になったりします。結局、これこそ未来の建築!は、そこに誰がいるか、誰が関わるかで決まるのだと思います。
久しぶりに美術っぽいこと考えた〜。
ではでは。今後、美術がより美術であることを願って。

★Anthology #1 at BankART Mini
#6[未来のアート像を想像する]
日程:2013年4月19日(金)19:30〜
会場:BankART Studio NYK 1F / BankART Mini

あっという間に、nano schoolそれも BankART での出張授業が迫ってまいりました。宿題は、前回授業の発表では『未来を聴く』でした。これぞ未来だという音を聴いてきて、録音してもいいし、口頭で説明できるようにしてもいいというものでした。
今回、それに少しだけプラスさせてもらいます。その未来のなかで、アートはどんなふうになっているのかを想像してもらいたいのです。前回も似たようなことを各自発表してもらいましたが、今回はもう少し具体的に、未来のアート像を想像してみましょう。音を手がかりとしながら、未来を探ってみましょう。
例えばそれは、環境音楽がまだなかった時代に、それを必要とする時代や、それを許す感性が生み出すアートを想像してみるということに近いのかもしれません。
また、あらかじめ準備してきた未来像を、桜木町の下記の場所のどちらかで想像してみましょう。こちらも重要な宿題の一部です!

・ジャズ喫茶ちぐさ(お酒の呑めない方)
・福田フライ
・第三酒寮キンパイ

教員(?)は、5時ぐらいからキンパイに行く予定です。では金曜日、お待ちしています。

#7[民主主義]
日程:2013年5月17日(金)19:30〜

本日の nano school 、テーマは民主主義です。ムフ、ビショップ、ブリオーなどを手がかりに(しなくても…)、民主主義についての考えをまとめてきてください。

★参院選GO!参院選ビフォアー&アフター2013
#8[election/erection(選挙/勃起)]
日程:2013年6月21日(金)19:30〜

#9[election/erection(選挙/勃起)]
日程:2013年7月19日(金)19:30〜

ナノ・スクールは、極小の学校。スケールや人数の意味ではなくて、コンテンツとして極小。教えられることを、これ以上ないまでに小さくしてみること。近代の理性は必要だったのか? じゃあ一回手離してみよう。本当の意味でそれができるのは、アートだけなのかもしれない! 的なところから始めてみる! 6月7月のテーマは[election/erection(選挙/勃起)]!?



杉田 敦 Atsushi SUGITA
美術批評。オルタナティヴ・スペース art & river bankディレクタ。女子美術大学教授。最近の著書に、『ナノ・ソート』(彩流社)、『アートで生きる』(美術出版社)、『アート・プラットフォーム』、『inter-views』(共に美学出版)がある。作品に”critics coast”(越後妻有アートトリエンナーレ, 2009)など、キュレーションにポルトガルの現代美術展『極小航海時代』(JAM)などがある。また、アーティストの増本泰斗と、ディスカッション・プロジェクト、”Picnic”を行っている。

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