レクチャー|伊東 乾[壁の上のイゾルデ…〈音の垂直〉をめぐって]
1900年代に入っての録音技術の開発、またとくに1950年代以降のステレオ音響の普及によって、僕らの耳はすっかり「平面化」してしまった…。
響きの上下方向の感覚がメディアの中から奪われてしまったのだ。スピーカーは左右に2つ置いて、決して上下には置かない。19世紀までオペラや典礼で普通だった天上界から降り注ぐ声も地の底からわきあがる響きも僕らとはすっかり縁遠くなってしまった…。
「トリスタンとイゾルデ」などヴァーグナーの楽劇を題材に〈音の垂直〉をめぐって実際に演奏しながら考える。
※ドイツにおいてEUのプロジェクトに参加しているため、当日はスカイプを通してトークを行いました。
協力:多治見智高/渡辺惟央
日程:2011年6月11日(土)
開場:18:00 開演:19:30
一般:1,500円 学生:1,300円
伊東乾が3回目の出演。当日、伊東乾さんはスカイプでの参加になります。「3.11以降の表現」などを考えつつ、ドイツのご自宅とblanClassをつないで双方向に音楽的な演習、演奏をしようという試み「スカイプだからこそできる面白い内容にしたい」と張り切っている。([blanClass +mail vol.086]より)
伊東 乾 Ken ITO
作曲家・指揮者。1965年1月27日東京都生まれ。演奏・研究アンサンブル・ベルリン ラオムムジ—ク コレギウム芸術監督。