★月イチ・セッション
岸井大輔[アジアで上演する#12 fin.|戯曲『好きにやることの喜劇(コメディー)』上演]

アジアを概念化し、西洋芸術に接ぎ木して作品製作をすることは、歴史を振り変えるまでもなく、陳腐であり、かつ危険な飛躍となりやすい。しかし、それを承知の上で、アジアに新たに向かい直す芸術家が増えている。しかも、彼らは、表現形式として展示ではなく上演を志向することが多いようだ。
この現象を「アジア(とか日本とか)」「上演」という言葉を使わずに記述できる言語を獲得したいと考え、「アジアで上演する」シリーズをはじめた。
まず、何人かの「アジアで上演する」アーティストにスポットをあて9月ー12月に発言を記録・交流を行い、2,3月に実験公演をし、4月ー6月は以上の体験から見出されたいくつかのテーマに基づく分科会をもった。また、1月と7月には振り返り検証をした。このシリーズを主催する岸井は劇作家であるので、以上の経験を下記戯曲「好きにやることの喜劇(コメディー)」にまとめ、以下のアーティストにより上演する。

出演
梅津庸一(美術家)
タカハシ ‘タカカーン’ セイジ(音楽家/無職・イン・レジデンス)
萩原雄太(演出家/かもめマシーン)
藤城嘘(画家・美術家/カオス*ラウンジ)

※「アジアで上演する」の全イベントに出席した振付家斉藤成美に本シリーズ鑑賞からの作品を依頼、製作された「しつらい(出演:斉藤成美・前田ゆきの)」も上演される。

日程:2015年9月17日(木)19:00~22:00
入場料:2,000円(出入り自由)
定員:30名(要予約)
〈予約方法〉info@blanclass.comに以下の内容でイベント前日までに送信ください。こちらからの返信を持って予約完了とさせていただきます。なお定員に達した場合などお断りすることもございますので、あらかじめご了承ください。
〈タイトル〉アジアで上演する予約〈本文〉1)日にち 2)氏名 3)住所 4)メールアドレス 5)参加人数



梅津庸一 Yoichi UMETSU
美術家 1982年山形県生まれ。主な個展に2014年『智・感・情・A』ARATANIURANO(東京)など、最近は『パープルーム』の運営もしている (twitter@parplume)
http://www.arataniurano.com/artists/umetsu_youichi/

岸井大輔 Daisuke KISHII
劇作家。1995年より、他ジャンルで追求された創作方法による形式化が演劇でも可能かを問う作品を制作している。代表作『P』『potalive』『文(かきことば)』『東京の条件』
kishiidaisuke.com

斉藤成美 Narumi SAITO
振付家・ダンサー/デザイナー。日本大学芸術学部デザイン学科卒。ダンス留学@神戸1期生。来たるべき田楽研究会実行委員。元似顔絵師。現サンドイッチ職人。近年は岡登志子、東野祥子らダンス作品に出演。2013年より振付作品を発表。代表作に、人それぞれが持つふるさとのような特別な場所を出現させる「遠きにありて うたふもの」(2013)、八広という場所についてのダンス「かがりびとのうた」(2014)。現在、ダンスや踊りをつくることがよくわからなくなったので、農作業や日常動作などを通して再考中。

タカハシ ‘タカカーン’ セイジ Seiji ‘Takakahn’ TAKAHASHI
こんにちは。岸井さん。岸井さんとは、お友達になったのは2014年でしょうか。お知り合いになったのは2013年かも。時は濃密です。自己紹介はめちゃくちゃ苦手なのですが、頑張ります。(プロフィールって、横顔って意味なんだよと友人から教えてもらいました。ほんとかな)中学生のころUKロックに感化され音楽を始める。(というと、照れが入っていますので、GRAPEVINEの大ファンというのを宣言します)エレアコはコードが押さえられずにすぐにオブジェと化す。お母さんごめん。
高校のころ入学祝いでセミアコを買う。GRAPEVINEの田中さんと同じモデルだと雑誌に記載していたから買ったのに、色が違った。すぐに高校を辞める。また、入る。
スタイルの模索で、その音、もうギターでもなんでもないじゃないそれ、シンセやんという手法に出会ったりしつつもバンド(geeq)を組む。大学のころだな。チケットノルマ制やその業界フォームに悶々としていたころ1枚の音盤を制作完了したとほぼ同時にバンドは解散状態へ。(一応まだやってる)
会社員を経験。ソロで活動ってどないしよかなあという、そのころにFLOATという場所に出会い、イベント企画をやるように。そんなこんなで、現在のような形へと気づいたら移行。音楽や人生から得られた知見を、フォームにあまりこだわらずに道中産み落としたものとしては、「やってみたかったことをやってみるための時間みるみる」「ウイスキーがのめるまで」「読書フェス」「?を自動販売機で売ろう!」「無職・イン・レジデンス」などがある。これは恒常的に日々実施している活動です。(きっと他にもある)
現在主宰するものは、「かんじれんしゅうフィル」「無職研究室」、バンドに、「無職・イン・エクスカーション(w/YukoNexus6)」「geeq」がある。2015年から、「P部」や「民俗芸能調査クラブ」に所属してみたりしています。
仕事としては、アーティストのサポートや、ワークショップやイベント企画運営、福祉フィールドでのアートサポートや企画を時々。
あ、あと、8月には、無職・イン・エクスカーションが別府で何かやります。9月21日に滋賀近江八幡にある酒游館でライブ出演(ドラ☆美保さんとの対バンは特に楽しみ‼︎)と、個人的には、秋に、奈良で演劇の音楽/音響担当として、北九州のコンテンポラリーダンスイベント?にて何かやります。あくまで予定ですけれど…関東のひと、こんにちは。どうぞ楽しいことをやりましょう。それらの活動の詳細などは、「みにくい」と評判のぼくの公式サイトは下記をご覧ください。
http://www.seijitakahashi.net/
2015.7.22 タカハシ ‘タカカーン’ セイジ
[出演俳優陣の紹介]
・YukoNexus6(滋賀県立此花高校/無職・イン・エクスカーション)
・森口真理(滋賀県立此花高校/DJふくわらい/喫茶ふっくら)
・澤田萌子(チーム夜明け/元レジデンス無職)
・田中保帆(公務員/元無職研究室員)
※追加・変更の可能性があります。(敬称略)
2015.9.12 タカハシ ‘タカカーン’ セイジ 追記

萩原雄太 Yuta HAGIWARA
1983年、茨城県生まれ。劇作家・演出家・フリーライター。2007年、演劇カンパニー「かもめマシーン」を旗揚げ。主な作品に愛知県文化振興事業団主催の「第13回AAF戯曲賞」を受賞した『パブリックイメージリミテッド』、STスポット共催の『スタイルカウンシル』など。2011年、福島県双葉郡の路上で上演した『福島でゴドーを待ちながら』は、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙や、イタリア・ローマ演劇記念館の『Waiting
for godot today?』にて紹介される。

藤城嘘 Uso FUJISHIRO
1990年東京生まれ東京在住。画家・美術家。2007年(当時高校生)から、「pixiv」「tiwtter」等SNSを中心にインターネット上で作品を公開する美術作家・イラスト
レーター・学生など広くクリエイターに呼びかけ、オフ会的交流を重ねる。2009年春にmograg
garageにて50人を超える参加者のグループ展「カオス*ラウンジ」企画を立ち上げる。以後毎年「カオス*ラウンジ」を開催している。2010年には黒瀬陽平と共同でより大きな企画を始め、「カオス*ラウンジ」ではキュレーターとしてだけでなくメインアーティストとしても活動している。

アーティストとしては現在、アクリル画を中心に制作。日本人の母と香港人の父のもと東京に生まれ育ち、情報技術により発達するメディア・サブカルチャーの影響を受け、高校2年生になると現代美術に魅了される。以後、社会で消費されるキャラクターの図像への関心から、絵画上でデフォルメされたキャラクター像・文字や記号・都市や風景などのモチーフを構成し、現代的な絵画のあり方を模索。2011年の東日本大震災後は、人間の「祈り」や「信仰」のかたちへの興味、生物学や地質学をはじめとした自然科学への関心など、より文化人類学的な想像力やモチーフを援用し、制作活動を続けている。主な個展に芸術係数企画藤城嘘個展「キャラクトロニカ」(2013年)など。

趣味は音ゲーであり、普段はポップンミュージックやSOUND VOLTEXのプレイに勤しむ。モバマスでは輿水幸子P。

前田ゆきの Yukino MAEDA
小学生の頃、歩道や自転車置場でヒトリオドル。能(観世流)、コンテンポラリーダンスを経て、岩手の芸能や中国武術を始める。2009年よりケイ・タケイ’sムービングアース・オリエントスフィアの活動に参加。本業は整体師。クラフトづくりや農作業も行う。

「アジアで上演する」特設サイト(近日公開予定)
http://presentonasia.wix.com

以下、「戯曲 好きにやることの喜劇」全文です。

戯曲「好きにやることの喜劇(コメディー)」
                   岸井大輔


好きにやる。すると以下のようになる。


ずっと続く、誰でも使え見れる、場所や状況や法律や支持体や舞台の上で、好きにやる。
1-1
ない場合、作り、好きにやる。
1-2
ある場合、守り、好きにやる。
1-3
作ったり守ったりするため好きにやれないなら、好きにやれているとはいえない。例えば、好きでもない戦争や金儲けに協力するなど。


好きにやるのは、今ここだけと、今ここだけで思いながらやる。
2-1
ずっと続くことになっているものを使うときも、ずっと続くことはなく今ここだけと思いながら使う。
2-2
いつでもなんでも今ここだけという考えは、今ここだけの考えではないから、1に入る。たとえばアマチュアリズムや相対主義など。


好きにやるときは、隠れる。
3-1
好きにやった結果を公開するときには暗号化する。暗号は好きに解読されがちなので、暗号こそ好きにやることのはじまりかもしれない。
3-2
隠れ方はいろいろあり得る。隠れ方は好きにやってなくてもいい。
3-3
誰かといっしょに隠れて好きにやることもできる。
3-3-1
いっしょに隠れている誰かが原因で好きにやれないなら、好きにやれていない。
3-3-2
一人隠れることで好きにやれていると感じるならば一人で隠れる。例えば、心の中だけで好きにやるなど。


いつでも好きにやろうとする。例えば好きに生活する。
4-1
例えば日常を好きなように解釈したり、新たな社会を好きに言ったりつくったりすることも、好きにやることだ。
4-1-1
生活を好きにやるにしても、日々のくらしと好きにやることは矛盾しやすい。だから、いろんな生活運動は、現実を知って保守化し、結局、好きにやることを邪魔したりすることが多いようだ。伝統を1の「ずっと」とみなしたり生活を2の「今ここ」とみなしても、それは好きにやることとはつながらない。生み育て、食い眠り、弱者を守り力あるものは働く生活の実感の中で、好きにやるのなら、すべては実験となる。
4-1-2
伝統や生活から好きにやってきた知恵を明らかにし、得る。
4-2
1も2も3も4のことと考えることができる。
4-2-1
1の「ずっと」も2の「今ここ」も考え方だからウソである。よって好きに考えられ、好きにやれる。
4-2-1-1
1の「ずっと」や2の「今ここ」のウソをマコトのように考えると好きにやりにくくなるようだ。
4-2-1-2
「ずっと」と「今ここ」を行ったり来たりすることは、思った以上にできるし、気持ちいいし、好きにやりやすくなることを示すのは、喜劇である。
4-2-2
生活を作ったり試したりするときの方法は1、2、3にも応用できないか考えてみる。
4-3
好きにやったらどうなったか、ほかの人の経験や予想は無視する。それらを考えることは好きにやったことにならないから。その結果好きにやれなくなってもいいし、それはそのとき考えることだ。
4-4
何かが起きることはすべて貴いと考える。


個人では好きにやれない。集団で好きにやる。
5-1
集団と個人の関係を、今より明確か不明確にする。たとえば、責任や個人の判断が不明確であるときは明瞭にしようとし、責任や個人の判断が明確なときは曖昧にする。
5-2
個々の間に線がある、あるいは生まれる、あるいは作ることから、好きにやることがはじまるのではないかと考えてみる。
5-3
集団で好きにやった経験を明らかにし、共有する。


1、2、3、4、5に当てはまらないが好きにやれている人は尊敬する。
6-1
好きにやっている人を愛し、興味を持ち、理解しようとすることをやめない。
6-2
この「好きにやることの喜劇(コメディー)」を、好きに書き換えてよい。
6-3
1、2、3、4、5に当てはまらないけれど好きにやれていると思うと、気がつけば、1、2、3、4、5に当てはまっていることが多い。


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