昨年からblanClassではじめたTEC工作クラブの活動の延長で、クラブのメンバーと一緒にMaker Fair Tokyo 2018を見に行ってきた。Maker Fairは、テクノロジー系DIY工作を実践している大小さまざまなコミュニティが 一堂に会するお祭り。(もともとはアメリカのMakeという雑誌が発端のムーブメントで、日本でもMake: Japanが雑誌や書籍の運営をしている)。Make Fairが面白いのは、出展者が必ずしもテクノロジー系ばかりではなく、Makeが提唱するDIY精神に引っかかるものなら、趣味のレベルから大企業の開発事業までが、それぞれの思惑で、参加していること。

今年は昨年よりも個人や小さなコミュニティの参加が目立っていたように思う。その中でも、半田付けをしないと音が出ないシンセサイザーだったり、指からスキャンした心拍のリズムを正確に再現できる電球だったり、味噌汁の匂いと包丁のトントンする音で目覚めるためにほぼ実物が稼働する目覚ましアラームなどのような、ちょっとしたアイデアを実現したものや、一見、なんの役にも立たないものをつくっている人たちが気になってしまった。

おもしろ工作は、いわゆるアイデア商品みたいなものになって、簡単に消費されてしまうことも多いだろうが、目的を決めずにとりあえずはじめてしまう、その姿勢自体がとてもおもしろい。

そういえば、昨年のMaker Fairで山口情報芸術センターのバイオリサーチというプロジェクトが出展していたのだが、会場にいた学芸員の方に、「バイオアート」を目指しているのですか? と聞いたところ、プロジェクトを立ち上げたのは、バイオテクノロジー関係の機材のデジタル化が加速して価格破壊を起こしている現状で、現実的に「できる」ということに気がついて、まずはバイオテクノロジー関係の機材を館内に設置したのだという。活動の主な内容は、それらの機材を使って、ひたすらバイオリサーチをしていくことらしい。

今まさに長年の研究が結実した成果というのも、面白いトピックなのだろうが、どうしても、どこに向かうのかわからない、当てずっぽうな実験みたいなことに興味を惹かれる。

blanClassのLive Artでアーティストたちが、繰り広げている発表も、ある意味で「当てずっぽうな実験」のようなもの。うまく展開して外にあるどこかのフィールドに着地していく試みもあれば、それだけでは、なんのことやらよくわからない試みもあるだろう。まずはとりあえずやってみることができる「場」であることが肝心だったのだ。

最近では農園クラブとTEC工作クラブの活動も加わって、blanClass自体の行く末もどこに向かっているのかがわからないような状態に突入しているようで、混乱しつつ、ちょっと先にやるべきことがなんなのかを考えているところ。

 
小林晴夫(2018.9-10 チラシ掲載)


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